行政書士の試験対策|重点的に対策するべきことは?
行政書士試験は、覚えなければいけない内容が沢山あります。
なかには、これまで触れてこなかったような分野でも1から学ばなけばいけない場合もあるでしょう。
しかし、初めて行政書士試験に挑戦する場合、どこから手を付けて良いのかわかりませんよね。
そこで今回は、行政書士試験で行うべき対策について解説します。
ぜひ行政書士試験合格の参考へのヒントにしてください。
目次
対策の前提として行うべきこと
行政書士試験の対策……の前に、必ずしておくべきことがあります。
それは、勉強時間の確保(タイムマネージメント)です。
行政書士試験に必要な勉強時間は、独学だと800~1,000時間と言われています。
毎日継続的に勉強しても、1~2年はかかると考えてください。
これだけの勉強をするには、時間の確保が前提条件となります。
隙間時間に勉強して合格できるほど、行政書士試験は甘くありません。
対策を考える前に、まず時間の確保を優先して考えましょう。この辺りは「合格のための試験対策勉強法」で詳細をお伝えしています。
行政書士試験に向けてのさまざまな対策
行政書士試験に向けての、さまざまな対策を以下で解説します。
- 択一問題対策
- 多肢選択問題対策
- 記述式問題対策
- 苦手科目対策
覚えておくべきことや学習内容は多くありますが、詰め込みすぎにも注意してください。
以下のポイントを意識しながら、どのように学習するべきかの参考にしてください。
択一問題対策
択一問題は、暗記力が重要になります。
ただし、丸暗記するのは効率が悪いです。
そこで、以下の点に注意して暗記するようにしてください。
- 期間や期日などの数字
- 例外
- 推定・みなし
- 似ている条文
- ただし
択一問題には、紛らわしい問題が多く出題されるため、上記のポイントに注意しなければいけません。
過去問を読みながら、それぞれの点に注意して暗記を進めていきましょう。
多肢選択問題対策
多肢選択問題は、判例からの出題が多いです。
出題形式は判例の穴埋めになります。
ただし、長文であるため、多肢選択問題に関しても丸暗記は必要ありません。
そこで、対策として語句への理解を行っておきましょう。
多く出てくる語句をチェックし、それぞれの意味をしっかり理解しておいてください。実は、理解することは最強の記憶術です。
語句を理解しておけば、初見の判例が出ても、対応できる可能性があります。
記述式問題対策
記述式問題は「行政法」「民法」どちらでも出題されます。
そのうえで、重要なポイントは3つ。
- 何法かを特定する
- 結論から考えて文章を構成する
- 40字に慣れておく
出題される問題には「これは行政法」「これは民法」という記載はありません(場合によっては「〇〇法の規定によれば」と記載されている場合もあります)。
そのため、何法であるかを理解する必要があります。
問題を見て「これは行政法」と判断できるように、法律の特徴を理解しておきましょう。
また、文章の書き方も覚えておくと良いです。
記述式試験は40文字程度にまとめなければいけないため、文章の作成が苦手にとって、難解に感じるでしょう。
基本的な文章の書き方のコツは、結論から考えることです。
結論から考えて、なぜそうなるのか……と付け足していくと、スッキリした構成になり、短い文字数でまとめられるでしょう。
また、考え方として「求められている問題に答える」を意識してください。
記述式は作文ではありません。
求められている内容に対して的確に短く、わかりやすく回答できるよう普段の文章から練習してみると良いでしょう。
苦手科目対策
苦手科目への対策は、基本的に暗記です。
ハッキリ言ってしまえば、行政書士試験の問題は、暗記が不可欠になります。
しかし、ただ見るだけでは頭に入ってこないので、何度も書き起こしたり過去問題集を繰り返しても、なかなか記憶できないという人も多いのでは?
我々は小学校でも中学校でも記憶する技術を習っていません。
教科書の重要ワードをノートに写す。漢字をノートに何度も書く!ことが記憶の第一歩だと思っています。実は大間違いです。無駄とはいいませんが、その行動は脳に入れる作業ではありません。
記憶するためのポイントとして、文章理解力を深めることは大事です。
主語と述語を理解するだけでも文章の大まかな流れは理解できます。
文章を理解すれば、内容がスっと入ってくるようになるでしょう。
苦手科目を暗記するのは精神的な負担も感じますが、しっかり向き合って取り組んでください。
とくに対策が必要な行政法
行政書士試験のなかで、重点的に対策を行うべきは、行政法です。
出題数、配点ともに多いため、行政法で点を取れなければ、合格は難しくなるでしょう。
では、行政法の対策としてどのような対策があるのか、以下で解説します。
行政法対策は暗記
行政法対策に関しては、ずばり暗記です。
考えて答えを出す問題はほとんどなく、覚えていればほとんどの問題に対応できます。
しかし、暗記を得意とする方もいれば、不得意な方も多いでしょう。
そこで、行政法の暗記のコツについて、以下にまとめました。
声に出してみる
暗記のポイントは「声に出してみる」ことです。ラーニングパロット法といいます。
条文やテキストなど、過去問を勉強して、その内容をすべて声に出してみましょう。
声に出す効果は、さまざまな暗記術でよく言われおり、声を出すことで目や手だけではなく、耳(聴覚)で覚えられるためと言われています。
暗記が苦手な方は、勉強した内容を、まず声に出して行ってみるところから始めてみましょう。
進捗状況をメモ
行政法の内容を暗記していると、何をどこまで覚えたのかわからなくなってしまいます。
また、覚えたと思っても、抜けてしまう部分もあるでしょう。
そのため、覚えたポイントは、メモをとってください。
メモをとることで「今日は何を覚えた」と学習とは別に2重で意識できるようになりますし、日付を記載することで、過去に覚えた内容を復習しやすくなります。
暗記だけではなく、効率的な学習方法としても、メモをとると良いでしょう。
弱点ノートを作る
暗記する内容のなかには、何度やっても覚えられない内容も出てきます。
そのために、弱点ノートを作っておきましょう。
弱点ノートを普段から持ち歩き目を通すようにすれば、弱点の克服につながります。
「一度覚えたから終わり」ではなく、忘れやすいポイントと覚えておきやすいポイントを分けて、取り組みましょう。
行政書士試験の対策はずばり暗記力
行政書士試験の対策はさまざまですが、結果的には暗記力が必要になります。
とくに行政法においては、暗記力が最も重要で「暗記せずに点数をとる対策」はありません。
ただし、丸暗記は意味がないので、効率的に暗記する方法を覚えると良いでしょう。
ぜひ今回の記事を参考に、自分なりの覚えやすい暗記方法を見つけてください。
しかし、どのように覚えようとしても、やはり暗記が苦手な人はいるでしょう。
「何度やっても覚えられない」「新しい内容を覚えると昔の内容を忘れてしまう」など、暗記には苦しめられますよね。
気づけばあれもこれも忘れている……という状況になると、モチベーションが低下してしまうでしょう。
では、そんな方には行政書士は向いていないか?というと、そうではありません。
暗記が苦手な人は、暗記のコツを知らないだけです。
覚えるコツさえわかれば、誰でも暗記できるようになります。
そして、この覚えるコツを知るための方法が、記憶術です。
記憶術で覚えるコツを知れば、条文や判例なども、スっと理解できるようになるでしょう。
行政書士の学習は突き詰めれば暗記力です。
なかには「記憶術を覚える暇があれば学習する」と思う方もいるかもしれませんが、記憶術を先に覚えた方が、確実に効率よく学習できます。
ぜひ、行政書士試験で暗記に悩んでいる方は、記憶術を体験してみてください。
執筆者:記憶術ライターM
記憶術や行政書士試験について学びながら記事コンテンツを執筆しています。