行政書士試験の試験科目免除はある?一番早く行政書士に合格する流れは?
資格には、ある一定の条件をクリアすると試験科目が免除になるものがあります。
行政書士試験についても、試験科目免除になるものがあるか気になる人もいるでしょう。
そこで今回は、行政書士試験の免除制度について解説します。
条件に該当する場合は、試験免除制度も考えてみましょう。
目次
行政書士の試験免除制度
試験免除制度には、大きく分けて以下の2つがあります。
- 試験そのものの免除
- 試験科目の免除
行政書士試験については、科目の免除はありません。
条件に該当する場合、試験そのものが免除されます。
ただし、試験免除となる条件はハードルが高いです。
以下で、どのような条件が必要になるのか、解説します。
資格による試験免除
行政書士には、行政書士法第二条に規定された免除される資格があります。
行政書士になるためには、以下の資格が必要です。
- 行政書士試験に合格した者
- 弁護士となる資格を有する者
- 弁理士となる資格を有する者
- 公認会計士となる資格を有する者
- 税理士となる資格を有する者
- 国又は地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間及び特定独立行政法人
出典:特許庁
つまり、上記いずれかの資格を有している人であれば、行政書士試験を受けなくても、行政書士になれます。
公務員による特認制度
士業の資格でなくても、行政書士の試験を免除される制度があります。
行政書士法第2条6号に定められている公務員の「特認制度」です。
行政書士法第2条6号では「国家公務員または地方公務員を17年間(中卒の場合は20年間)勤続した者」と記載されています。
つまり、公務員を17~20年間勤続していれば、行政書士になれるのです。
特認制度を利用できるのは40代以降
特認制度を利用すれば、行政書士試験を受けなくても行政書士にはなれます。
しかし、特認制度を利用しての行政書士は現実的ではありません。
行政書士法第2条6号には、17年もしくは20年の勤続と記されています。
最短で17年だとしても、制度を利用できるのは40代になるでしょう。
わざわざ公務員試験を受けてから40代になって行政書士になるというのは、遠回りになってしまいます。
行政書士資格で免除される試験
行政書士の試験が免除される資格もあるのと反対に、行政書士資格を持つことで免除される資格もあります。
行政書士を目指した後、その他の士業も経験してみたいと考えている人は、参考にしてください。
ただし、試験免除に関しては、今後変更になる可能性があります。
以下で紹介するのは、2022年時点の情報です。
社会保険労務士の受験資格
行政書士の資格を取得すると、社会保険労務士の受験資格を得られます。
本来であれば、社会保険労務士の受験資格は以下になります。
- 大学や専門学校等の卒業
- 労働組合での専従役員又は従業員(3年以上)
- 日本郵政公社や年金公社での役員又は従業員、自衛官等(3年以上)
- 社労士法人や弁護士法人等での業務補助経験(3年以上)
- 一般企業の人事労務担当での実務経験(3年以上)
- 司法予備試験又は行政書士試験に合格した者
- 厚生労働大臣が認めた国家試験
とくに大きいのが、大学や専門学校の卒業です。
高卒や中卒の場合、社会保険労務士の試験は受けられません。
しかし、行政書士の資格があれば、中卒や高卒でも社会保険労務士の試験を受けられるようになります。
弁理士試験の論文試験免除
行政書士の資格を取得すると、弁理士の一部試験科目が免除されます。
弁理士の試験は合格率7~9%と言われている非常に難関な試験です。
そのため、試験科目が一つでも免除されるのは大きいメリットと言えるでしょう。
免除される科目は、論文式試験(選択科目)です。
弁理士試験は「短答式試験」「論文式試験」「口述式試験」の3つに合格しなければいけないので、一部だけでも免除になるのは大きいでしょう。
行政書士になるための効率的な方法は?
行政書士になるための効率的な方法は、試験に合格して行政書士を目指す方法です。
ストレートに行政書士を目指すのが、一番早いでしょう。
たとえば、弁理士や弁護士の資格を取得する場合、行政書士よりも難易度が高いと言われている資格であるため、大きく遠回りになります。
また、特認制度の場合、公務員になってから17~20年必要となるため、現実的ではありません。
一番早く行政書士を目指せるのは、純粋に真っすぐ行政書士の学習をする他ないのです。
行政書士試験合格までの勉強目安時間
行政書士試験合格までの勉強目安時間は、600~800時間です。
1日2時間勉強した場合であれば、約1年。
800時間の場合でも、2年ほどの目安になります。
結果的に、他の資格などを取得するより、行政書士をストレートに目指した方が早いのです。
もちろん一発で合格しない可能性はありますが、それでも他の資格を取得すると、大きな遠回りになってしまいます。
行政書士試験合格をストレートに狙うためには
行政書士試験合格をストレートに狙うには、真面目にコツコツ学習する他ありません。
行政書士も難易度の高い資格になっているので、学習は必須です。
学習をおろそかにして挑んでも、まず合格はできません。
以下で、とくにどのような学習が必要になるのかについて解説します。
学習時間を確保
行政書士試験に合格するためには、600~800時間の学習が必要と言われています。
そのため、学習時間をしっかり確保しましょう。
毎日2~3時間は学習時間を作ってください。
ただし、ただ詰め込み型の学習をするだけでは意味がないので、効率的な学習になるように工夫しましょう。
過去問で行政書士の試験問題に慣れる
行政書士試験の学習は、慣れが必要です。
出題形式は、以下の3つです。
- 5肢択一式
- 多肢選択式
- 記述式
とくに記述式は、40字程度にまとめなければいけないので、慣れておかなければいけません。
ただ過去問を解くというよりは、行政書士試験の癖などに慣れるためとして過去問を活用しましょう。
記憶力を高める
行政書士試験は、判例や条文などの記憶力が試されます。
どれだけ他の問題が解けても、こればかりは記憶力がなければ難しいです。
そのため、ただ問題をいくつも解いていくのではなく、記憶力を高める方法もおすすめします。
記憶力が高くなれば、効率的な学習もしやすくなります。
闇雲に学ぶのではなく、まず記憶力を高めるため技術を取得してしまった方が、結果的に早いかもしれません。
これから行政書士を目指すなら記憶力から
これから行政書士を1から目指すのであれば、記憶力を高めていきましょう。
記憶力さえ高められれば、高い確率で行政書士試験に合格できます。
実際に私は、記憶力を高めた結果、600~800時間の学習が必要と言われている行政書士試験に、90日で合格しました。
多くの人は、ただただ闇雲に勉強してしまいますが、それでは頭に入りません。
まずは記憶力を高めるところから始めて、より効率的な学習を意識してください。
別の資格を取得していないなら地道に行政書士を目指しましょう
現在とくに資格を取得していないのであれば、行政書士試験はストレートに臨みましょう。
試験免除を目的として、他の資格を取得するのは、おすすめしません。
ストレートに目指した方が、確実に早いです。
また、なるべく早く試験に合格したいと考えているなら、ぜひ記憶術を試してみてください。
記憶術で効率的に学習できるようになれば、今よりも確実に効果の高い学習ができます。
執筆者:記憶術ライターM
記憶術や行政書士試験について学びながら記事コンテンツを執筆しています。